自治体の粗大ごみ回収のメリットとデメリット
自治体の粗大ごみ回収を利用しようと思っているあなた。そのメリットとデメリットについて、きちんと把握していますか? メリットもある自治体の粗大ごみ回収は、ぜひ活用したいもの――。しかし、「引越しに合わせて粗大ごみを処分したい」と思っていても、場合によっては利用できないこともあります。このコラムをきっかけに、メリット・デメリットを把握し、制度を上手に活用できるようにしていきましょう。
自治体による粗大ごみ回収のメリット
粗大ごみ回収の事業には税金が投入されており、費用を自治体が負担してくれています。そのため自治体の粗大ごみ回収は、比較的安い料金で回収してくれるのがメリットです。一般的には、安いものであれば500円程度から回収に応じてくれます。
また、不法投棄などの心配がないのも自治体の粗大ごみ回収のいいところです。粗大ごみ回収業者の中には、無許可で回収事業を行っている業者が少なくありません。そのような業者は不法投棄などをしており、環境を汚染する原因となっています。
もちろん、民間の粗大ごみ回収業者でも、そのほとんどはきちんと許可を得て運営されていますが、自治体の粗大ごみ回収であれば、不法投棄の心配はまずありません。これも一つのメリットです。
自治体による粗大ごみ回収のデメリット
比較的安価に処分できる自治体による粗大ごみ回収ですが、実はデメリットが多いのが現状です。
<平日の日中にしか回収してもらえない>
自治体の粗大ごみ回収事業は、役所と同じく平日の日中にしか可動していません。そのため、回収してもらえるのは平日のみ。一般ごみと同じように、ごみは朝8時半までなど、早い時間に設定されていることがほとんどです。
平日の朝といえば、出勤前の時間帯。多くの人が忙しく過ごしている時間に、大きくて重い粗大ごみを運び出すのは、とても面倒ですよね。
人によっては、粗大ごみを出すためだけに、半休の申請をしたり、休暇を取ったりしなければいけないかもしれません。一人暮らしの人で昼間の勤務をしている人には、あまり都合のよい時間帯とはいえないでしょう。
<回収の日時指定ができない>
回収時間が平日なのも不便ですが、何より、回収の日時が指定できないのは不便な点です。自治体によっては、「粗大ごみは木曜日にしか回収しない」と、曜日が固定となっている場合もあります。また、月に何日か候補日があり、その候補の中から選ぶしかないケースも少なくありません。
回収の日時が限られていることから、粗大ごみの回収依頼が立て込んでしまうと、「1ヶ月先にならないと回収できない」という事態もあります。スケジュールが柔軟に決められない点は、自治体の粗大ごみ回収事業のデメリットです。
<ごみ置き場など、屋外に運び出さなければいけない>
自治体の粗大ごみ回収事業の場合、指定の場所まで粗大ごみを運び出す必要があります。家の中までピックアップしてくれるのではなく、あくまで依頼主が家の外まで持っていかなければいけません。
どんな場所に出しておけば良いのかと言うと、玄関先やアパートなどの階段下、近くのごみ置き場などです。玄関先であればまだいいですが、階段下など、大きな荷物を一人で移動させるのは至難の業……。2人で作業できたとしても、部屋に傷をつけるなど、重さ以外のあらゆるデメリットが浮かんできます。
妊娠中の方や高齢者の方は、一人で大きな荷物を運ぶことができません。そのため、周囲に荷物の移動を頼らねばならず、心苦しい思いをする人もいることでしょう。
どんなものでも回収してもらえるわけではない
いらないと思うものでも、粗大ごみでなければ回収はしてもらえません。粗大ごみとは、ある一定の大きさの家庭ごみのことです。対象外のゴミは粗大ごみではありませんので、別の方法で回収してもらう必要があります。
よく間違えてしまうのが家電です。エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、衣類乾燥機などは、家電リサイクル法に当てはまる家電。パソコンもパソコンリサイクル法に該当するため、粗大ごみとして回収はしてもらえません。
粗大ごみ回収は、民間の粗大ごみ回収であればなんでも一括で引き取ってくれます。「家電だから回収してくれない」ということもありません。「どうしてもテレビを捨てたい」などの要望があれば、民間の粗大ごみ回収業者に依頼するのもいいですね。